住宅地をトラックで回っている、不用品回収業者のトラックを見かけたことがあるという方は多いのではないでしょうか。
「ご不用になった〇〇を無料で回収にうかがいます」というアナウンスを流しながら車をゆっくりと走らせ、声をかければすぐに車を停めて、その場で不用品を回収してくれます。
あるいは、郵便受けに入っているペーパーやマグネットになったさまざまなチラシ。最近、「不用品を無料で回収」という、回収業者のチラシが増えています。
ちょうど処分したい粗大ごみがあったなんていう場合には、電話一本で、または、その場で声をかければすぐに回収してくれるのでとても助かりますよね。しかも、処分するだけでもお金がかかる粗大ごみまで無料で回収してくれるとなればなおさらです。
ですが、疑問に思ったことはありませんか?
本当に、どんなものでも「無料」で回収してもらえるのでしょうか?
業者に頼めば、不用品をなんでも回収してくれると思っていませんか?
確かに、民間の回収業者は、自治体のごみ回収によりもフレキシブルに、さまざまな不用品の回収・処分を行っています。
例えば、手数料を支払ってリサイクルしなければならない冷蔵庫などの家電やデスクトップパソコン、その他、大量の粗大ごみなどもまとめて回収してくれますし、回収方法がわからないものについても、相談すればかなり柔軟に対応してもらうことができます。
しかし、要らなくなったものをなんでも回収してくれるというわけでは、もちろんありません。なぜなら、不用品として出されるものの中には取り扱いが難しい危険なものや、特別な場所でしか処分できないものがあるからです。
一般的に、危険物や取り扱いが困難な薬品や医療器具、産業廃棄物などは、民間の回収業者では取り扱いできません。販売店や指定の団体に相談するなど、決められた方法で各自で処分する必要があります。
また、灯油やガソリン、オートバイ、タイヤなども、回収不可のことが多いようです。こちらも販売店などに相談して処分する必要があります。その他、生ごみや食品、動物の死骸なども取り扱い不可です。
回収してもらえるかどうか不安がある場合は、事前に電話で相談してみることをおすすめします。
<回収方法が指定されているもの>
灯油・ガソリン・塗料 | 販売店、ガソリンスタンドなどで回収 |
オートバイ・電動自転車 | 販売店などに相談 |
ボタン電池・小型充電式電池 | 協力店の回収ボックスなどで回収 |
ピアノ | 販売店、中古品取り扱い店などで相談 |
<危険なもの・取り扱いに注意を要するもの>
プロパンガスボンベ | 販売店などに相談 |
薬品、医療器具 | 指定の方法で処理する |
アスベストを含むもの | 指定の方法で処理する |
産業廃棄物 | 指定の方法で処理する |
<その他、取り扱い不可のもの>
食品・生ごみ | 自治体のごみ回収に出す |
生き物・動物の死体 | 保健所に相談する |
他人の権利を侵すもの・盗品 | 取扱い不可 |
通常、不用品の処分には、なかなか大変な手間とお金がかかります。
壊れた家電や家具、使わなくなった布団やマットレスなどを処分するには、家から運び出すだけでも大変な作業ですね。こういった不用品は粗大ごみとして自治体で回収してもらうこともできますが、もちろん有料で、個別に手続きが必要になります。
引っ越しや模様替えなどでたくさんの不用品が出たときなど、どうやってすべてを処分するか途方に暮れてしまいます。
そんなとき、家庭で出た不用品を自宅まで直接取りに来てくれて、「無料」で回収・処分してくれると言われたら……。
例えば、壊れたテレビ、破れたマットレス、古着の山、シミだらけの座椅子を回収してもらったとします。
壊れたテレビは再利用することができるのでしょうか?古すぎたり壊れてしまったテレビをわざわざお金を出して買う人はいませんし、需要はほぼありません。結局、お金をかけて廃棄処分をしなければならないのです。破れたマットレスも同様に、お金と手間をかけて廃棄処分します。運搬する費用、回収作業を行うための人件費も必要になります。
状態の良いものや需要があってリサイクルショップなどで売れるもの以外は、「無料」で回収・処分することは難しいのです。
不用品を「無料」で回収してもらう場合、その処分費用がどのように支払われるのかをということを意識しておくことが大切です。
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不用品回収におけるトラブルが多発しています!
最も多いトラブルは、「無料」で回収を依頼したつもりが、かえって高額の手数料を支払ってしまうというケースです。
第2章でご説明したように、再利用できない不用品を「無料」で処分することはそもそも無理なのです。手数料をもらって不用品を回収・処分することで回収業者の経営は成り立っているからです。
どういう業者か確認せずにうかつに利用してしまうと、断りきれずに高額の手数料を支払ってしまうことになりかねません。
気軽に利用できてとても便利な不用品回収ですが、民間の業者に回収・処分を依頼する場合には、信頼できる業者かどうかをしっかりとみきわめることが大切です。
物置の奥に長年置いてある壊れて使えなくなった古いブラウン管テレビを、どうにか処分したいとずっと思っていたMさん。
郵便受けに入っていた、「無料で壊れたテレビを回収」というチラシを見て、思い切って電話で回収を依頼。すぐに見積りに来るというので、なんとか物置から運び出して見てもらったところ、古すぎて回収できないとのこと。
大きなテレビをまた物置に戻すのかとがっくりしているMさんに、回収業者が「5000円で引き取りますよ」と声をかけた。とてもそんなお金は払えないので断ろうとすると、業者は態度を一変。動揺したMさんは、「じゃあ、半額でいいよ」と言われて、結局、2500円支払ってテレビを回収してもらった。
* 回収の際、自分以外の人に立ち会ってもらう(一人で対応しない)
* 見積りの内容に問題があれば、はっきり断る!
民間の回収業者に、「無料」で不用品を回収してもらう場合の注意点についてご紹介しました。
「無料」という宣伝文句につられて、最終的には高額の手数料を支払うことになってしまったり、回収してもらった不用品を不法投棄されるといった被害が数多く報告されています。
トラブルを未然に防ぐためには、不用品の処分はそもそもお金がかかるものだということを、しっかりと認識しておくことが大切です。
回収内容についてお教えください。詳しくご記入いただくほど、良い見積もりが提案される確率があがります!
お気軽にお申込みください。