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引き取り手がない、あるいは不要になってしまった仏壇を処分するというケースは、近年増加傾向にあります。中には、長年誰も住んでいない家に仏壇だけが残されている、といったケースも。
不要になってしまった仏壇は、一体どうやって処分すればよいのでしょうか?
仏壇を処分する場合の注意点、処分方法、処分するために必要な費用などについてご紹介します。
不要になってしまった仏壇は、実は、ゴミとして捨てることができます。驚かれるかもしれませんが、自宅で処分する場合は、普通に粗大ゴミとして捨てることになります。
でも、「神聖な仏壇をそんな風に扱っていいの?」と、思ってしまいますよね。仏壇は、ある手続きをすることで、ゴミとして処分しても大丈夫な状態になります。それは一体なんでしょうか?
仏壇を処分するには、ひとつだけ、大切な手続きが必要になります。それが、「閉眼(へいがん)」または「御魂(みたま)抜き」または「お性根抜き」と呼ばれる供養です。
仏様やご先祖様を祀る大切な場所である仏壇は、新しく設置する際に、仏壇に魂を込める儀式を行います。開眼供養と呼ばれるこの儀式を行うことで、仏壇が神聖な場所になるのです。
開眼供養をした仏壇は、閉眼供養をすることで、ただの木の箱に戻ります。ただの木の箱になった仏壇は、粗大ゴミとして処分することができます。
仏壇を処分する場合に必要な閉眼供養という手続きをふまえて、仏壇を処分する4つの方法をご紹介します。
一番手軽なのは、仏具店に処分を依頼する方法です。宗教や宗派に合わせた閉眼供養もやってもらえるので安心です。
一番費用を抑えることができるのは、供養を済ませてから仏壇を自分で処分する方法です。供養にかかる費用はお寺によって異なりますが、ゴミとして処分すること自体はわずかしか費用はかかりません。
それぞれの処分方法について、さらに詳しくご説明します。
檀家になっているお寺か開眼供養をしていただいたお寺に依頼するのが一般的ですが、わからない場合や遠方の場合は、近隣のお寺に相談して閉眼供養だけを依頼することもできます。閉眼供養のおおよその相場は、1万~数万円程度のことが多いようです。
供養が終わったあと、仏壇をそのまま処分してもらうこともできるので、処分費用についても事前に確認しておくことをおすすめします。
注意点として、浄土真宗の場合、閉眼供養は行いません。どのような供養が必要か、直接お寺に相談してみるとよいでしょう。
仏壇を購入した店舗だけでなく、近隣の仏具店や、ネットで受け付けている仏具店に処分を依頼することができます。
仏具店では、宗教や宗派に合わせた閉眼供養も行ってくれるので安心です。
費用は店舗によって異なりますが、郵送で仏壇の処分を受け付けている店舗の場合、サイズにより、1万~5万円程度。離島や遠方の場合はさらに送料がかかります。
閉眼供養を済ませた仏壇は、粗大ゴミとして自治体の個別回収に出すことができます。処理費用はサイズ、自治体の規定によって異なりますが、1000円~1500円程度の場合が多いようです。詳しくはHPなどでご確認ください。
自治体によっては、地域のゴミ集積場に直接持ち込んで処分してもらうこともできます。この場合、さらに格安の金額で処分することができます。
粗大ゴミの個別回収を依頼すると、自宅の前に仏壇を出しておかなければならないので、ちょっと抵抗があるという方もいらっしゃると思います。その場合は、不用品回収業者に処分を依頼する方法がおすすめです。
この場合も、事前に閉眼供養が済んでいることが必要です。
閉眼供養を済ませた、あるいは閉眼供養が必要ない仏壇は、自分で処分することができます。
自分で仏壇を処分するメリット、デメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?
なんといっても、費用を安く抑えられるということが一番のメリットです。
閉眼供養をするための費用は別途必要になりますが、ゴミとして捨てるだけなので千円程度の費用だけで済みます。
閉眼供養が済んだ仏壇を自分で処分するには、粗大ゴミの個別回収に引き取ってもらう方法が一般的です。しかしこの場合、自宅前に粗大ゴミシールを貼った仏壇を出しておかなければならないので、人目にさらされてしまうというデメリットがあります。
また、供養が済んでいるとはいえ、仏壇を捨てるという行為が精神的な負担となる場合もあります。無理をせず、業者や専門店に任せる方法も検討してみることをおすすめします。
仏壇を処分する場合、気をつけるべき点が3つあります。
勝手な判断で手続きを進めてしまうと、トラブルの原因になってしまいます。関係者が複数いる場合、できるだけ全員で話し合って処分方法を検討することが大切です。
仏壇の中には、一家の大切な書類や貴重品がしまってあることがよくあります。
処分を決めたら、引き出しや扉の内側、棚板の裏側などもすべてしっかりと確認しましょう。隠し引き出しが作られているケースもあります。
仏壇を処分する場合、忘れてはいけないのが備品や位牌の処遇について。
供養の済んだ位牌や備品はゴミとして捨てることができますが、位牌を捨てるのはさすがにためらいますよね。引き取り手がいない場合は、閉眼供養ののち、お焚き上げをして焼却処分してもらう方法がおすすめです。
不要になってしまった仏壇を処分する方法についてご紹介しました。
住む人がいなくなった家に残された仏壇や、引き取り手がなくなった仏壇を処分するというケースは決して少なくありません。
仏壇の処分は、仏具店やお寺に相談するほか、閉眼供養が済んでいるものであれば、ゴミとしてそのまま捨てることもできます。
処分方法によって費用も違ってきますので、関係者とよく話し合って処分方法を検討することをおすすめします。
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