年をとってからの長い時間を、安全に、快適に暮らすためのさまざまな準備のことを「老前整理」といいます。自分のために行うという点が、遺品整理や生前整理とは異なります。
老前整理では、部屋の片づけや不用品整理、家財道具の買い替えといった作業を行うことが多いようです。さらに、自宅のリフォームや、場合によっては住み替えなどを行うケースもあります。
今回は、老前整理でリフォームを行う際に利用できる補助金制度についてご紹介します!
仕事や子育てで忙しい日々を送っているときには目の前のことに精一杯で、年をとってからの生活や、定年後の生活について考える余裕はなかなかないですよね。
老前整理について意識し始めるのは、忙しい仕事や子育て、現役で頑張っていたスポーツやさまざまな取り組みが一段落して、少しずつ自分のための時間を持てるようになってから、というケースが多いようです。忙しい毎日から少し解放されて、ほっと一息つくことができたときが、老後の生活について考え始めるよいタイミングかもしれません。
そのようなタイミングで、長年暮らしてきた自宅を改めて見直してみたとき、家の内外の設備の老朽化や劣化、若い頃には気にならなかったさまざまな問題に目がいくことでしょう。そこで多くの人が、老前整理の一環として自宅のリフォームを検討し始めます。あるいはもっと大がかりな建て替え、修繕工事、住み替えについて考えるかもしれません。
老前整理では、生活環境を老後に向けてシフトしていきます。その大きな要素のひとつが自宅のリフォームです。
古い家やマンションを新築のような状態にする工事のことをリフォームといいます。
一般的な住宅のリフォームでは、老朽化、劣化したところをきれいな状態に作り直したり、新しいものに交換するような工事を行いますが、老前整理を目的にしたリフォームでは、より過ごしやすく、年をとってからも安全に暮らせるようにするための改修工事を行うケースが多いようです。
老後の暮らしを快適なものにするためのリフォーム工事には、どのようなものがあるのでしょうか。
工事期間が短く、比較的少ない費用で行うことのできるもののひとつに、手すりを設置するというリフォームがあります。設置する場所は、玄関、浴室、トイレ、廊下、階段など。もう少し大がかりな工事になりますが、室内の段差をなくすリフォームも人気です。
水回りでは、浴室の床を滑りにくい素材にする、深い浴槽を浅く入りやすいものにする、冷えやすい浴室と脱衣所に暖房を設置するというものもあります。さらに、昔ながらの洗面所やキッチンの蛇口を新しくリフォームすることで、手首をひねったり力を入れることなく水を使うことができるようになります。キッチンのコンロをIHに変えるリフォームは、台所での作業に不安を感じている方におすすめです。
老前整理の一環として多く行われているいくつかのリフォーム工事と、おおよその費用相場をご紹介します。(実際にかかる費用は、工事を行う場所や状況、使用する素材、作業を依頼する業者や時期などによっても変わります)
1) 手すりを設置する
玄関(室内)の段差のところに短い手すりを設置すると、靴を履いたり脱いだりする際や、玄関を上がるときなどにも便利ですね。短い手すりを設置するリフォーム工事にかかる費用は、およそ2~3万円程度です。玄関の外に設置する場合は、土台を作る工事なども必要になるのでさらに費用がかかります。
廊下に手すりを設置する場合、長さによって費用が変わります。リフォーム工事にかかる費用は、1mにつきおよそ2~3万円程度、3mの手すりを設置する場合は、およそ6~9万円程度になるケースが多いようです。
2) 浴室に暖房を設置する
浴室乾燥機としても使える、浴室暖房システムを設置するリフォーム工事にかかる費用は、数万円~10万円程度です。ただし、浴室の状況によっては設置不可能な場合もあります。
3) 段差をなくすバリアフリー化
廊下と部屋の境目などの段差をなくすリフォーム工事は、工事の方法によって費用が変わります。段差を解消するスロープを設置するだけのリフォームは、1万円以内で工事が可能ですが、床を張り替えたり高さを変えるための工事を行う場合は、10万円以上の費用がかかります。
老前整理におすすめの住宅リフォームと工事にかかる費用相場をご紹介しましたが、リフォーム工事にかかる費用は、決して安くありません。
数万円~10万円程度で完成するものもありますが、室内の段差をなくすバリアフリー化のリフォーム工事などでは、状況によっては数十万円の工事費用が必要になることもあるでしょう。いくつかのリフォーム工事をまとめて行う場合は、100万円近い金額が請求されることもあります。
安全に暮らすためのリフォーム工事ですので、信頼できる業者に依頼し、確かな製品を設置する必要があるため、費用を安くおさえることはなかなか難しいでしょう。
そんなときに頼りになるのが、自治体などから支給されるリフォームのための補助金制度です。老前整理のための高額のリフォーム工事をした際に利用できる補助金制度をご紹介します!
リフォーム工事に対する補助金の多くは「要介護・要支援」の方が対象となっていますが、そうでない方も利用できる補助金制度があります。
この制度では、対象となるリフォーム工事の費用に対し最大で62.5万円を所得税・住民税から控除することができます。
「バリアフリー改修の所得税減税」
摘要期間期限:
– 工事後、~2021/12/31までに入居
(※対象期間に当てはまらない場合は、別の新しい制度が導入されているケースがありますので、自治体などに問い合わせてみてください)
利用者の条件(次のいずれかにあてはまる):
– 50歳以上の方
– 要介護・要支援または、障がい者の方
– 65歳以上の親族または、要介護or要支援or障がい者の方と同居している
– 所得金額が3,000万円以下である
住宅についての条件:
– 現在自分が住んでいて、所有する家(持ち家)である
– 床面積50m2である
– 床面積の半分以上が居住スペースである
– リフォーム工事後半年以内に入居する
対象となるリフォーム工事:
(補助される額を除いて、工事費用が50万円以上となる場合にかぎる)
– 通路の幅を広げる
– 階段をゆるやかにする
– 浴室のリフォーム
– トイレのリフォーム
– 手すりを取りつける
– 段差をなくす
– ドアを使いやすくする
– 床を滑りにくくする
補助金の額(控除額):
1) ローン型減税(住宅ローンを利用している場合)
– 5年間
– 毎年最大12.5万円(5年間で最大62.5万円)を控除
2) 投資型減税(住宅ローンを利用していない場合)
– 1年間
– 最大20万円を控除
詳しくは、こちらのサイトで確認することができます。
リフォーム工事をする方本人が、要介護or要支援の対象となっている場合は、リフォーム工事の内容に応じて一時金が支給される補助金制度を利用することができます。
詳しくは、地域の包括支援センターやケアマネージャーなどにご相談ください。
国や自治体が行っているリフォーム工事の補助金制度は、利用できる条件、利用可能な期間などがそれぞれ決まっています。また、補助金は自動的に支給されることはないので、申請しなければ補助金を利用することはできません。利用できる期間、必要な書類な、申請方法などを事前にしっかり確認しておくことが大事です。
申請方法など詳しい内容は、自治体の窓口で相談するか、補助金制度について詳しい施工業者に相談する方法がおすすめです。要介護・要支援の方は、地域の包括支援センターやケアマネージャーに相談することができます。
老後の生活を安全に、快適に暮らすための老前整理について、おすすめのリフォーム、費用相場、リフォームをした場合にもらえる補助金制度についてご紹介しました。ぜひ、参考にしてみてください!
回収内容についてお教えください。詳しくご記入いただくほど、制度の高いお見積もり可能です!
不明点等はスタッフが丁寧に確認いたしますので、まずは分かる範囲でお気軽にご記入ください。